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Chemical Management Platform(CMP)(みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社)

2023/10/06ユースケース
Chemical Management Platform(CMP)(みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社)

2023年度「Trusted Web の実現に向けたユースケース実証事業」におけるユースケースのうち、みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社による「Chemical Management Platform(CMP)」をご紹介します。



事業内容

  • サプライチェーンの川上、川中、川下の事業者の連携のもとで、製品含有化学物質情報の確実かつ効率的な伝達・授受を可能とするための情報流通基盤Chemical Management Platform (CMP)の構築に向けた検討を行う。
  • 拡大する法規制に対応するためには、サプライチェーンに関わる各事業者が、調達品の製品含有化学物質情報に基づいて、供給する製品含有化学物質の情報を川下側に伝達することが効率的で望ましい。
  • 本ユースケースでは、各事業者が自社の扱う製品の含有化学物質を適切に管理し、その結果に基づく製品含有化学物質情報を、プラットフォーム上の事業者のつながりの中で、効率的に授受できるような仕組みを目指している。


社会的・経済的な価値

  • 製品含有化学物質は、製品の製造者でなければ、容易には把握できないため、製造者が自社の扱う製品の含有化学物質情報を作成して供給先に提供することが、分業によるものづくりでの規制対応として適切と考えられる。しかし、製品含有化学物質に対する法規制は、新たに導入されたり、制限対象の化学物質が追加されるなど、頻繁に変更され、また、自動車や電気電子機器など製品分野によって異なる法規制もあるため、遵守のためには、必要な情報が適時かつ迅速に入手可能であることが重要である。
  • 事業者各社は、製品含有化学物質規制をウォッチし、調達品の製品含有化学物質情報を入手・確認し、自社の供給する製品含有化学物質の情報を作成・更新して提供するために、多大な工数と費用をかけている。国内企業が管理に要する費用は、大企業で約5,000万円/年、中小企業で約700万円/年との調査結果もある。(平成23年度経済産業省委託事業 平成23年度環境対応技術開発等(製品含有化学物質の情報伝達の実態に関する調査)報告書 表4-14および表4-15の管理費用平均額)
  • CMPを活用することで、製品含有化学物質情報の授受にかかる負荷を低減することができれば、より適切な製品含有化学物質管理の実践が可能となる。さらに、産業競争力の強化、関連法規制の遵守、人健康や生態系の保護にも貢献することできると考えられる。


Trusted Webの実現により解決する内容

  • 共通の情報基盤であるCMP上で情報を授受し、さらに共通の化学物質リストならびにフォーマットを活用することで、業界によらず、効率的に製品含有化学物質情報の提供を行なえるようになる。
  • CMP上でサプライチェーンと同様のネットワークが構築・維持されれば、法規制の変更など、情報基盤上での情報提供が可能となり、再調査等の依頼が削減される。
  • 製品含有化学物質の成分の中での営業秘密情報CBI(Confidential Business Information)の秘匿性が担保される。
  • 従来サプライチェーンを遡ることは現実的には困難だったが、CMPを使うことで、事業者を特定しなくても、サプライチェーンの製品含有化学物質情報のトレーサビリティが確保できる。


実装するシステムアーキテクチャアプリ概要

  • 求める機能/仕組み

[機能1]ユーザ(自然人又は法人)自身が自らに関連するデータをコントロールできる

-製品の取引事実や化学物質の組成情報の開示範囲を自らコントロールでき、取引を行う当事者間のみとすることができる。当該情報はシステム管理者も参照することができない。

[機能2]データのやり取りにおける合意形成の仕組みがあり、合意の履行のトレースができる

-相手企業へ組成情報を伝達する際に、情報の確からしさ(本人からの送信であること、二重取引でないこと)を確認して、その情報伝達に合意することができる。

[機能3]検証(verify)できる領域を拡大することにより、Trustの向上を図ることができる

-相手企業へ伝達する組成情報は、その情報が正しいこと・改ざんされていないことを検証することができる

-企業は、システム管理者から配信される化学物質マスタにより、提供製品が、どの含有化学物質規制に従わなくてはならないかを知ることができる。

 

  • 求める機能/仕組みについて活用する技術とその選定理由


  • 技術的な新規性

サプライチェーンにおける製品含有化学物質の情報伝達においては、競合他社も含む緊張関係にある企業同士での情報共有であり、画一的なシステム化が困難である点で、システム化することに新規性がある。効率的な情報共有のためには集中型が一般的であるが、化学物質情報伝達においては、既に自動車業界における巨大プラットフォーマーが存在するため、参加する企業システムやベンダーにデータの主権者を割り振る分散型を志向する。この場合、各社のトレードシークレットを確保する必要が生じる。よってデータの開示コントロール機能を持つエンタープライズのブロックチェーンを活用する。

 

  • 現社会インフラとの相互運用性

 情報項目についてはISO/IEC 82474-1 (Material declaration –Part 1: General requirements)ドラフトに従うことで、グローバルな情報基盤との相互運用性が高く、またAPI連携によって各国のプラットフォーマー、企業内システム、ITベンダー提供のパッケージとの接続も容易となり、現社会インフラの上に成り立つ仕組みといえる。検討にあたっては国内ITベンダーも参加する。


ユースケースに関連する資料

  • 本ユースケースの検討体制

CMPは、サプライチェーンの川上、川中、川下(自動車および電気電子機器)の参加するCMPタスクフォースにて実施している。

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