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機械製品サプライチェーンにおけるトレーサビリティ管理(ヤンマーホールディングス株式会社)

2023/07/07ユースケース
機械製品サプライチェーンにおけるトレーサビリティ管理(ヤンマーホールディングス株式会社)

2022年度「Trusted Web の実現に向けたユースケース実証事業」において実証を行ったユースケースのうち、ヤンマーホールディングス株式会社の行った「機械製品サプライチェーンにおけるトレーサビリティ管理」の内容をご紹介します。

ページ下部の各資料リンクから、より詳細な実証内容についてご覧いただけます。

背景と目的

機械製品はライフサイクルが長く、それぞれのライフステージにおいて多くのデータが発生する。しかしながら、それらデータの多くは各社・各機能部門での局所的な利用に留まり、必要な範囲で十分に活用されているとはいえない。データが適切に共有されなければ、製造業においても製品をそのライフサイクルに亘ってトレースできないといった問題が生じ、トレーサビリティの確立が困難なものになる。

データを安全に共有するためには、データを提供する側と利用する側が、データの利用者であれば利用するデータの真正性、データの提供者であればデータの開示範囲や利用範囲を限定できるなど、互いに安心してデータをやりとりできる信頼性の確保とそのための仕組みが必要である。またサプライチェーンの各プレーヤーは互いに相対的な関係にあり、誰もがデータの提供者にも利用者にもなって、互いにデータをやり取りする必要がある。 

以上を背景に本ユースケース実証では、機械製品など工業製品のサプライチェーン上で発生するデータを対象として、安全にデータのやり取りが行える仕組みを検討することを目的として実施した。

課題とTrusted Webによって解決する内容

検証を行うデータ

  • リペアショップからメーカーへの稼働データ提供依頼が正しい依頼であることを確認するため、マシン署名を検証する。具体的には、依頼データに含まれる修理情報(リペアショップ名、期間等)に対して付与されたマシン署名を検証することで、依頼の正しさについて確認する
  • その他、データのやり取り時には全て送付者の署名と受領者による検証を行うことで、送付データの正しさについて確認する

主な成果

機械製品のサプライチェーン上で発生するデータを対象として、機械製品の修理依頼シーンを取り上げ、関係するプレーヤー間でデータを安全にやり取りし共有するためのスキームを企画し、プロトタイピングを行った。その結果、以下の成果が得られた。

  • 機械製品の修理シーンにおけるスキームの企画とプロトタイピング
  • モノ(マシン)へのアイデンティティ付与
  • モノ(マシン)と法人・自然人とのペアリング:モノと責任主体との紐づけ
  • モノ(マシン)のトレーサビリティの確保:モノのDID1はライフサイクル(製造、販売、利用、保守、廃棄)に亘って同一
  • エビデンス検証に基づくデータ開示コントロール:データの開示先と開示根拠の検証
  • アイデンティティの可視範囲の局所化:ユーザー情報の可視範囲を限定

1)Decentralized Identifier(DID)。国際標準機関であるW3Cによって標準化されている分散型識別子(https://www.w3.org/TR/did-core/ ) 

ユースケースに関連する資料

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